まだ何ものでもないというのに、すでに何ものかであるような傲慢な錯覚を抱き、今手にしているものは砂の一粒も失うことなく歩いていけると信じている。自分が笑うとき、世界もいっしょになって笑っていると疑わず、こっそり泣くとき、世界が自分だけを苦しめていると思っている。なんと無知でなんと幸福な時間に、彼らはいるのだろう。
-Mitsuyo Kakuta
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